フリーの美容師さんから事業計画についてのご質問をいただきました👍
質問:
はじめまして。美容師です。現在、フリーの美容師として、いくつかのサロンからお仕事をいただいています。
そろそろ自分で店を構えて本格的に開業しようと思っているところです。
夫に相談したところ、事業計画でも作ったら?と言われました。初めてなのでどうしたらいいのか分かりません。ポイントを教えてください。
回答:
ご質問ありがとうございます。
事業計画の立て方をネット検索すると、事業に対する熱意はあるか、独自性や強みはあるか、数字の根拠があるか、客観性はあるかなど、色々なことが書かれていますね。
事業計画を作る目的にもよりますが、個人事業主の方が開業するときの事業計画について、僕が最も大切だと思う点をお伝えします。
まず、あなたが生活していくのにいくら必要なのかを徹底的に考えましょう。
たとえば、あなたの生活費が月30万円で、貯金が280万円あったとします。仮に開業資金として100万円使ってしまうのであれば、残りは180万円です。
この場合、180万円÷30万円=6ヶ月なので、6か月以内に毎月最低30万円の利益を出せる計画でなければ、あなたの事業は破綻します。
どんなに続けたい気持ちがあっても、残念ながら生活が回らなくなります。
事業計画というと、売上から考えてしまう方がほとんどですが、まずは必要な利益から考えましょう。
自分の生活費を賄う利益はいくらか?
この部分を徹底的に考えましょう。難しく考える必要はありません。家計簿や預金通帳、クレカ明細を見返しましょう。
必要な利益額が分かれば、あとは簡単です。それだけの利益を出すにはいくらの売上が必要なのか、逆算していきましょう。
あれ、旦那の給料で生活してるから、私はあまり儲からなくてもいいのかも…
中にはそんな方もいると思います。その通りです。別におかしなことではありません。
儲けることはもちろん大切ですが、状況が許すのであれば、とんとんでいい、という考え方も立派な事業だと思います。
僕たちのクライアントでも、そんな事業主の方はたくさんいらっしゃいます。皆さん、自分のやりたいことをして、生き生きと過ごしているように感じます。
一例をあげましょう。
50代後半のAさんは、子育ても一段落したので、趣味のお菓子作りを活かして、カフェを開くことにしました。
週末限定のこのお店は月商で30万円ほど、利益は毎月10万円を切る程度です。
趣味をしながらお小遣いも稼げる。お客さんとも仲良くなって、Aさんはとっても幸せそうです。Aさんに向かって、平日も営業しろ!もっと真面目にやれ!と怒るのは、お門違いもいいところでしょう。
なかには、こんな緩い感じでいいんでしょうか?他の方はどうですか?
と不安に駆られる方もいます。そんな方にはためらうことなく「別にいいと思いますよ」と答えます。
もちろん、3人目が産まれたばかり、住宅ローン月10万円、残り30年、妻は専業主婦というような方には、この計画では確実に破綻するから考え直した方がよいと伝えます。
一方、20代独身、実家暮らし、借金なしという方であれば「難しく考えずに、やりたいようにやればいいよ。ただし、変なところから絶対にお金は借りないこと。友人からも絶対借りないこと」と伝えます。
ChatGPTが教えてくれる、SWOT分析がどう、利益率がどう、マーケティングがどう・・・
という事業計画のポイントももちろん大切ですが、その前にあなた自身が置かれた状況を、よく見つめることが何よりも大切だと思います。
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