30代の公認会計士の方からご質問をいただきました👍
質問:
30代公認会計士です。監査法人に勤めています。今年もようやく繁忙期が終わり、一息着くことができましたが、来年もこの激務が待っていると思うと憂鬱になります。
とはいえ、AIの時代に独立しても、一人で食べていける気がしません。業界に明るい未来が見えません。なんとかならないでしょうか?
回答:
ご質問ありがとうございます。
僕も30代の公認会計士ですので、お気持ちはとてもよく分かります。
あなたを勇気づけることができるかどうか分かりませんが、中東に伝わる物語を、1つご紹介しましょう。
ある日、王様が3人の息子達を呼んでこう言いました。
お前たちに17頭のラクダを残そう。長男には半分、次男には3分の1、三男には9分の1をやろう。
計算の得意な会計士であればすぐに分かりますね?そうです。17は半分にすることも、3で割ることも、9で割ることもできません。
困った兄弟は、ある賢い老婆に相談することにしました。老婆は言います。
お前たちの助けになるのか分からないが、私のラクダを1頭あげよう。
すると、どうでしょう?
1頭増えて18頭になったラクダは、半分にすることができます。3で割ることも、9で割ることもできるのです。
こうして、王様の言いつけ通りに、長男は18頭の半分に当たる9頭を、次男は3分の1にあたる6頭を、三男は9分の1にあたる2頭のラクダを貰いました。おやっ?合計は17頭です。余った1頭は、老婆に返すことになりました。
めでたし、めでたし。
これは『ハーバード流交渉術』の著者ウィリアム・ユーリー教授がTEDで紹介した物語です。
ユーリー教授は、この物語を通じて第三の立場の重要性を説いています。
物事が行き詰ったとき、第三の立場に立つことで、視野が広がり、新たな解決策を見いだせるかもしれない。
会社経営の当事者である社長は、得てしてご自身の考えや信念に囚われがちです。
そんなとき、公認会計士や税理士は、第三の立場から、社長とは異なる視点を提供できるのかもしれません。
社長、たまにはバルコニーに出て、広い景色を眺めに行きませんか?そうすれば、他の方法が見つかるかもしれませんよ。
僕たち士業に求められているのは、AIで置き換えられる作業や知識だけではなく、ときどき社長をバルコニーに連れ出し、広い景色に気づかせてあげる、そんな役回りなのかもしれませんね。
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