今年開業された個人事業主の方から、青色申告についてのご質問をいただきました👍
質問:
今年、個人事業主として開業しました。
はじめて青色申告をするのですが、勉強のためにも自分でやってみようと思っています。ただ、本当にちゃんとできるか心配です。
何か注意したほうがよいポイントがあったら教えてください。
回答:
ご質問ありがとうございます。
そこに勉強時間を割くなら本業の勉強に集中したほうが生産的だと思う。
というのが僕の本音なのですが、それでは話が続かなくなってしまうので、一般の方が作られた申告書を見ていて感じた青色申告のポイントをお伝えします。
ご自身で青色申告に挑戦される方がよく仰るのは次の言葉です。
「消耗品費か雑費かどちらにすればよいのかよく分からないので教えてください」
これに対する僕の答えは大抵いつも決まっていて
「そんなのあまり気にしなくていいですよ」です。
ただ、今回はもう少し詳しく話しましょう。
所得税の計算は、基本的に損益に対して行います。つまり、1年間でどれだけ儲かったかを計算して、それに対して税金が課されます。
そして、損益計算に着目すると、あなたの消耗品費2000円が、新聞図書費になっていようが、水道光熱費になっていようが、まったく関係ありません。どうでもいいとまでは言いませんが、それほど神経質になる必要はありません。
この点が、僕が一般の方と話していて、もっとも温度差を感じるところです。
逆に、これは絶対やめてね、というポイントもあります。
それは貸借対照表に計上すべきものを、損益計算に含めてしまうことです。
たとえば、35万円のパソコンを買った、親から50万円借りた、売掛金20万円を回収した、割賦払いでiPhoneを買った…というようなケースです。
本当は貸借対照表に計上しないといけない取引を、損益計算に含めている青色申告決算書は、山ほどあると想像しています。
したがって、僕が考える青色申告のポイントは「貸借対照表と損益計算書の科目はちゃんと区別してね」ということです。
この時点で「???」となっている方が大半だと思います。ざっくり言うと、以下のように理解してください。
そして「この青色決算書はおかしいよね」と一瞬で分かるのは、貸借対照表の科目がマイナスになっているケースです。たとえば、以下の貸借対照表をご覧ください。
損益計算書科目と貸借対照表科目の区別ができていないと、図のような謎のマイナスがたくさんある決算書になりがちです。
ということで、青色決算書ができたら、提出する前に貸借対照表をチェックしましょう。残高がマイナスになっている科目があったら、ほぼ100%間違っています。結果的に所得計算も間違っている可能性が高いでしょう。
freeeやMFに言われるままポチポチやっているそこのあなた!!
自分で簡単にできると思っているかもしれませんが、たぶん貸借対照表がマイナスになっていますので、税務署が来る前に税理士に相談してみてはいかがでしょうか?
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