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【税理士コラム】副業の赤字で節税できる?

更新日:2022年8月31日

Webデザイナーの方からご質問をいただきました👍


質問:

30代のWebデザイナーです。会社に勤める傍ら、フリーランスとして、個人でもWebデザインの仕事をしています。


開業届を出せば、フリーランスの仕事が赤字の場合、給与と相殺して税金を減らせると聞きましたが、そんなことがあるのでしょうか?


回答:

ご質問ありがとうございます。

せっかくご質問をいただいたのですが、非常に悩ましい問題です。


残念ながら、状況によるというのが税理士として誠実な回答です。

まず、所得には種類があります。そして、種類によって、税金の取り扱いが異なります。

詳しく見てみましょう。


ご質問のような副業フリーランスの場合、一般的に考えられる所得の種類は、事業所得か、雑所得かのいずれかです。

では、両者で何が異なるのか、簡単に整理しましょう。下の表をご覧ください。



何がそんなに違うのか?他にも違いはありますが、大きな違いは表の3つです。


質問者さんが気になる給与と相殺というのは、他の所得と損益通算できるか、という点になります。

そもそも、損益通算とは何でしょうか?


損益通算とは、ある年の各種所得の金額の計算上、赤字が生じた場合に、この赤字を他の黒字の各種所得の金額から控除することを言います。


そして、この損益通算は、事業所得の赤字では認められていますが、雑所得の赤字では認められないのです。


つまり、質問者さんのフリーランス収入が事業所得であれば、フリーランス事業が赤字となった場合、その赤字を会社員としての給与所得から控除することができるのです。


その結果、総所得金額が少なくなるため、最終的な所得税も少なくなります


計算例を見てみましょう。


いかがでしょうか?同じことをしていても、所得の種類が事業所得になるか、雑所得になるかで、最終的な所得金額が変わってくるのです。


質問者さんの立場からすると、できればフリーランス収入は事業所得として、少しでも所得税を減らしたいところでしょう。お気持ちはよく分かります。


しかし、税の世界では、事業に該当するかどうかは、その経済活動が、自己の危険と計算において、独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して営まれる業務であって、社会通念上事業と認められるかどうかにより判断すべきとされています。


給与所得と相殺するつもりで、毎年、赤字を出しているような場合、事業として認められる可能性は低いでしょう。


お気持ちはとてもよく分かるのですが、開業届を出したからと言って、必ずしも事業所得になるわけではありませんので、注意が必要です。


節税の話はとても大切ではあります。ただ、せっかくフリーランスで好きな仕事をするなら、胸を張って事業といえるよう、一緒に頑張ってみませんか?



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