top of page

NEWS

​お知らせ

【税理士コラム】経費になるけど経費にならない?

更新日:2022年10月17日

転職して経理の仕事を始めた会社員の方から、経費についてのご質問をいただきました👍


質問:

30代会社員です。最近、転職して経理の仕事をすることになりました。職場の先輩と顧問税理士の会話を聞いていると

会計上は経費でいいけど、税務上は経費になりませんねえ

という会話がよく出てきます。


経費でいいけど経費にならないって意味が分かりません。私がバカなんでしょうか?


回答:

ご質問ありがとうございます。


転職おめでとうございます。僕も何度も転職を繰り返して、今の仕事に落ち着きました。


転職が良いのか悪いのか、答えは引退するまで分からないと思いますが、まずは今の職場でしっかりと力を発揮できるといいですね。


さて、ご質問の件に回答します。


まず、質問者さんがバカということはありませんのでご安心ください。

先輩と顧問税理士の会話を思い出してみましょう。ポイントは、会計と税務という言葉です。


質問者さんにはまだピンと来ないかもしれませんが、会計と税務は別物です。両者は考え方が異なりますので気をつけましょう。次のスライドを見てください。



さて、あなたが税務署の人だとしましょう。決算書を見たとき、どう考えるでしょうか?

性格の悪い僕は、どうすればもっとたくさんの税金を取れるんだろうか?と考えます。


税金をたくさん取るには、利益は多いほうがよい、つまり、経費は少ないほうがよいのです。


したがって、税務の世界ではどちらかといえば、経費を認めない方向でルールが作られています

交際費や役員報酬、引当金の制限は典型例です。


では、会計はどうでしょうか?


会計の世界では、決算書を見るのは株主や銀行です。あなたが株主だったとき、決算書を見て何を考えるでしょうか?性格の悪い僕は、この会社は本当にこんなに儲かっているのか?と疑ってかかります。


経営者は株をたくさん買って欲しいと思っていますので、対株主では、できるだけ利益を多く見せようとします。対銀行でも、たくさんお金を貸して欲しいと思っていますので、できるだけ儲かっているように見せようとします。


このため、会計の世界では、どちらかといえば、経費や損失を多めに(早めに)計上し、利益が少なくなるようなルールになっています。典型例は引当金です。


このように、会計では経費を多めに(早めに)計上するルールがあり、税務では経費を認めにくいルールがあるため、「会計上は経費になっても、税務上は経費にならない」という事態が発生します。


僕もはじめてこの世界に足を踏み入れたときは、会計と税務のルールが違うということに、もの凄く違和感がありました。


質問者さんも、まずは会計と税務ではルールが違うということを理解しましょう。


大切なことは大原則を抑えることです。そのほうが、闇雲に細かい規定を覚えるよりも、成長への近道だと思います。



※当コラム・インスタグラムの内容はすべて投稿時点の法令に基づく一般的な内容に限定されます。

また、閲覧者が理解しやすいように簡潔・平易な記述をしているため、正確性を保証するものではありません。

※インスタグラムに記載の情報に基づき実務を行う場合、当事務所または税理士等の専門家にご相談ください。当事務所との契約に基づき実施した場合を除き、インスタグラム記載の情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切の責任を負いません。

Comments


bottom of page