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【相続コラム】養子縁組は相続税対策になる!?

ここは、純喫茶『en 〜縁〜』。


税理士であり副業で喫茶店を運営するマスターのケイさんと将来税理士になりたい大学生のマユミさんが織りなす居心地のよい場所。やさしく、わかりやすく教えてくれるマスターのところには、相続で悩む常連さんからの相談が絶えません。

本日は、加藤さんがご来店。

なんでも、義両親から「養子縁組をしてほしい」と言われているとのこと。

その理由も良くわからず、返事ができない加藤さん。知人に紹介されたマスターに相談することにしてみました。

それでは加藤さんとマスターの会話をみていきましょう!


○本日のポイント

  • 養子縁組は相続税負担が減ることになる

  • 税負担のみではなく、分け方まで参考にして決める方が良い


マスター、私は夫の両親と一緒に暮らしています。義両親ともにとっても良い方で、遠方にいる夫の姉より娘みたいに可愛がってくれています。


加藤さん、それは良かったですね。嫁姑問題はどの家庭にもあるかと思っていましたが、円満な家庭もあるものですね。


それで、義両親から養子縁組をしてくれないかって言われたんです。私も良くわからないんだけど、なんでも相続税が減るらしいということで私に相談がきたんです。これってどういうことなのか教えていただけますか?

そうですね。養子縁組は戸籍上の親子関係を作るもので、親になる側と子になる側が婚姻届のようなものを役所に提出することで実行できます。双方の合意があれば、すぐにでも手続きすることができます。


そうなんですね。それって何か良いことがあるんでしょうか?


税金の観点からすると、相続人が一人増えることになるので相続税が減ることが多いです。これのために養子縁組を考える人もいるくらいです。



詳しく教えてください!


相続税の申告が必要な人は、プラスの財産からマイナスの財産を引いた残りが基礎控除額を超過した場合なのです。基礎控除額は『3000万円+600万円×法定相続人の数』で求めることが出来ます。養子縁組をすると、この『法定相続人の数』が一人増えるので結果として相続税負担が減少するというものです。

義両親はそれを踏まえて、養子縁組をしたらどうかって言っていたんですね。確かに、銀行の担当者と話をした後にこの話題を振られたので、その時に提案されたのかもしれません。でもマスター、養子縁組によって相続税が減るならみんなすべきじゃないですか?

その通りです。税金のことだけ考えれば、養子縁組は相続税負担の減少につながります。ただし、養子になるということは義両親の子供の立場を得ることと同義ですので、義両親の相続発生時には相続する権利も出るということです。


それってデメリットになるんでしょうか?


加藤さんにとってはデメリットではないですが、ご主人のお姉様の立場だったらどう思うでしょうか?加藤さんという養子がいなければ半分もらえたはずなのに、養子縁組によって取り分が減ってしまったらなんと言われてしまうか…

確かに…夫の姉とは、遠くにいながらも仲良くやってきましたが、これで関係が壊れるのも怖いです。



その考えが大事だと思います。なので養子縁組については慎重に考える方が良いと思います。


マスター、それなら後で文句を言われないように権利を平等にしたらどう?例えば、義姉の配偶者も養子縁組するとか?税金対策になるんだったら、一石二鳥なんだと思います。


これについては2つの点で解説します。一つ目は、養子縁組により姓が変わってしまうことです。養子になった側は養親の姓を名乗る必要があります。ご主人の姉の配偶者を養子縁組した場合には、ご主人の姉家族全員が同じ姓になってしまう可能性があります。また、税金を計算する上で考えられる養子の人数には上限があるということです。義両親のように実子がいる場合の養子縁組については、税法上1人までしか養子としてカウントすることが出来ません。ちなみに実子がいない場合であっても2人までしかカウントすることが出来ません。


そうなんですね。みんな養子縁組すれば解決っていう問題ではないですね。



そうです。なので慎重に考える方が良いという話をさせてもらいました。


ありがとうございます。マスター、夫や義両親と相談してからまた相談させてもらうかもしれません。



それはいつでもどうぞ。養子縁組だけが対策ではないと思いますから…




○ おさらい

  • 養子縁組は相続税負担が減ることになる

  • 税負担のみではなく、分け方まで参考にして決める方が良い


本日のコラムは、いかがでしたか?皆様もハッとする部分があったかと思います。


中園一樹会計事務所では、相続に関する相談を受けております。お客さまごとに相続対策は異なりますので、まずは専門家である私たちに相談してみませんか?




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